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『日本をダメにした10の裁判』チームJ

日本をダメにした10の裁判 (日経プレミアシリーズ 4)

日本をダメにした10の裁判 (日経プレミアシリーズ 4)


新聞やニュースで、裁判のあれこれが取り上げられることがある。

大きく取り上げられる内容であっても、自分には関係のないことと、

見過ごしてしまうことが多い。

少し前になるが、C型肝炎訴訟などはニュースなどでよく見かけたが、

かわいそうだけでは判決は書けないし、当事者双方と裁判所も大変そうだなと思うばかりで、

まさに、我関せず・・・。


でも実際には、この本に書かれているように、

ある判決が、その後の社会に大きな影響を与えることがあるのだ。

そして、間接的にではあるが私にも影響を与えかねない。

だから、決して、裁判は遠い対岸の火事ではない。

そして、裁判が時には日本をダメにするとすれば、聞き捨てならない。

私は日本で生きているのだ。


たとえば、第一章では「正社員を守って増える非正規社員の皮肉ー東洋酸素事件」が取り上げられている。

この裁判は、整理解雇が有効となるための4要件が示され、その後の雇用関係に影響を与えたものである。

今まさに、問題となっている「派遣切り」にも大いに関係のある判決だ。

この本が書かれたころは、もちろん、この裁判が行われていたころには、

まさか、「派遣村」が登場し、混乱した今の日本を想像もしていないだろう。



このほか、この本では代理母事件、ロッキード裁判など、いろんな分野の裁判が取り上げられている。

私自身は、この本には興味の惹かれる事件が少なく残念であったが、

新聞やニュースで裁判の情報が流れると、

その後の社会に与える影響を考えるようになった。


まさに、私はチームJの思惑どおりになったのだ。