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【電子書籍】デメリット その2 本棚を眺める楽しみが減る

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こんにちは、tetunecoです。

 

電子書籍のデメリット その2は「本棚を眺める楽しみが減る」です。

 

 

本好きにとっての本棚

 私にとって、本との出会いは小学校の図書室でした。ずらりと並んだ本の背に囲まれて、静かに過ごすあの場所が好きでした。

今でも、図書館や書店に足を運ぶのは、図書室に似た空間が好きだからなのだと思います。

私が、本は買う派なのは、自分の読んだ本をずらりと並べて小さいながらも本棚を作り、自分だけの図書室のような空間を作りたいからでした。

 この感覚は、私以外の本好きの方にもあるようで、以前私が使っている本の記録サイト「読書メーター」でつぶやき欄に写真の投稿が可能になった際、読書メーターにつどう本好きの皆さんが次々にアップしたのは、自身の本棚の写真でした。

本好きは、本棚を愛しておられる方が多いのだなあと思った出来事でした。

 

本好きの方にとっては、読み終えた本を並べるというのも楽しみの一つなのではないでしょうか。本の配置も、カテゴリー別、背表紙の色別等々、こだわっておられる方もいらっしゃると思います。堆く積み上げられている積読本も、それはそれで見ていて楽しくなるものです。

 

 

電子書籍にとっての本棚

電子書籍の場合、端末の中に本棚の表紙を羅列したものというか、そういうものはあるわけです。

私は、電子書籍をKindleアプリで読んでいるのですが、Kindleアプリですと、購入した本のデータはライブラリにずらりと並んで表示されます。

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こんな感じです(表示画面には2種類あります。)。

並べ替えることもできますし、「コレクション」機能を使って本をグループ分けすることも可能です。

私の使っている読書メーターというサイトでも、本棚という機能があります。

が、どう考えても、実物の本棚を眺めるような本の存在感のようなものはありませんし、部屋が図書室化するような楽しみはありません。

 

 

 本はもう紙の束である必要なない

どうしても、紙の本への未練は残りますが、本というものそのものが、紙の束である必要はもうないのかもしれないと思います。

完全に、電子書籍が紙の本に取って代わるということはないと思いますが、紙の本にこだわる理由も徐々に薄れていくのではないかと思っています。 

 買った本を並べるという自己満足は、まだ別の形で満たすしかないようです。

 

 

最後に 

形のない音楽を、データのダウンロードで聞くようになった時代に、文章を楽しむのに、文字が紙に書かれていなければならないというのも、確かに変な話かもしれません。

もしかすると、いつの日か図書館自体がデータ化された端末が並んだものになる日が来るかもしれません。

 

本を買って並べて、背表紙を眺めること自体、いろいろな意味で贅沢なのかぁなんて考え始めています。

 

 *電子書籍のメリット・デメリットまとめ

tetuneco.hatenablog.com

 

【電子書籍】メリットその2 本を買いすぎても、あんな本を買ってもバレない

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こんにちは、tetunecoです。

 

私が思う電子書籍のメリット その2は、「本を買いすぎても、あんな本を買ってもばれない」です。 

 

本を買うということ

本が好きだということは、世間一般では素晴らしいことのように言われています。

確かにいいことではありますが、私のような本を買う派にとっては、いいことばかりではないのです。

それは、「本をたくさん買う=お金がたくさん必要」なので、本代が家計を圧迫するということがあるからです。

本を買い込んでいると、「まだ読んでいない本がたくさん置いてあるのに、また買ったのか」という家族の冷たい目にさらされることがままあります。

「図書館で借りればいいのに」、「無駄遣いだ」とさえ言われたこともあります。

 

 

電子書籍は人知れず端末内に収まる

電子書籍は、購入と同時に、本のデータが、端末にスルスルとダウンロードされるだけなので、誰にも知られずに本を購入することができます。

私は買いませんが、コミック好きの大人の方にも家族に知られずにコミックを買うことも可能です。

あやしげなあんな本もこんな本も、データが自分の端末にスルスルと入って終わりです。

 

 

読んでいない本の整理が簡単

その上、読んでない本がどのくらいあるのか、ということも本人以外にはわかりません。

家族からの読みもしないのに、また本を買っているという冷たい視線にさらされることはありません。

私は、Kindleアプリで本を読んでいるのですが、「コレクション」という機能を使って、本を整理しています。

 

 おそらくどんな電子書籍端末でも書籍管理は可能だと思います。

ちなみに、私はAmazonKindleで本を買っているのですが、こちらですとAmazonの方でどんな本を買ったのかをそのデータとともに管理してくれているので、すでに買ったことのある本は、ちゃんと教えてくれます。

Kindleで買い続けていくことで、同じ本の2度買いも防げます。

 

最後に

電子書籍では、買った本は全て自分の指定した端末にダウンロードされますので、どんな本をいつ買ったのか、読んだのか読んでいないのかは、読んでいる本人以外にはわかりません。

これは、いろいろな面でメリットになると思います。

 

 *電子書籍のメリット・デメリットまとめ

tetuneco.hatenablog.com

 

仕事のモチベーションが上がらない  それは贅沢な悩みなんだぞ

 仕事ができる人はなぜモチベーションにこだわらないのか 相原孝夫(幻冬舎新書)

 

 

 この本書いたのどんな人

 この本の著者は、人材マネジメントを支援する会社の社長さんです。

 著者が代表を務める会社のサイトはこちらです↓

www.hra.jp

 著者のプロフィールによると、著者自ら、「人材の評価・選抜・育成および組織開発に関わる企業支援を専門」としておられるそうで、この本もその経験をもとに書かれています。

 

内容

 この本では、まず

 モチベーションはもちろん高いに越したことはない。しかし、モチベーションが全てを解決するわけではない。企業の中でこれほどまでにモチベーションに焦点を当てることは果たして正しいことなのであろうか。

 と問いかける。

 

案外、これほどまでにモチベーションを上げることにこだわっているのか、考えたことがなかったことに気づかされる。

 

「モチベーション」は前向きな言葉である。しかし、会社内でその言葉が使われる場合、ネガティブな会話の中であることが多い。社員の笑顔が少ない会社のような、職場に余裕のない会社で多く使われる傾向にある。

 

そこで、モチベーションが問題になる原因や状況を考えた上で、著者は、モチベーションは高ければいいというものではないとまでいう。

 

モチベーションにこだわることなく仕事をし、幸福な労働を手に入れるには、どうしたらいいかを考えていく。

 

私の感想

「モチベーション」という言葉、いつの間にやら職場内に入り込み、私たちの誰もが、「モチベーション」を高く上げなければと思うようになってしまったのだろうか。

 

私自身、確かに仕事のモチベーションが上がらないなぁとか、モチベーションを上げるにはどうしたらいいか悩んだし、関連する本もよく読んだ。

どの本もとにかく、いかにモチベーションを高く保つかに書かれていて、そもそもモチベーションを高くする必要があるのかなど、問いかける本はなかった。

 

ところが著者は、「モチベーション」に違和感を持っていたという。それは大きく3点にまとめられていた。

1点目は、個人の内面の問題である

 

2点目は、個人的理由に最も大きく左右される

 

3点目は、「モチベーションが上がらない」、「やる気が出ない」とは、食うに困らぬ立場にいる人の贅沢な悩みとも思えなくない

 

特に3点目については、

生きていくことに精一杯な状況においては、モチベーションがどうのということは問題にならない

と指摘している。

 

確かに、なるほどそうかもしれない。

「モチベーション」なんてカタカナになってなんだか、いいことのように勘違いしていたけど、要するに「モチベーション」とは、「やる気」という気分のことで、「モチベーション」を高くしたら仕事がうまくいくような気になって、「やる気、やる気、やる気を出そう」と唱えていたに過ぎない。

 

 

この本を読んで、「やる気に頼らず、仕事をこなす。」、「やる気は、なくても仕事はできる。」そういう姿勢が、自分をすり減らさず、淡々と仕事を進められる力になるような気がしてきた。

 

今後、仕事をしていて、「モチベーションが・・・」なんて頭をよぎったら、「ああ、贅沢な悩みだな。」なんて思って、淡々と仕事をこなしていくようにしてみよう。

 

 *オススメの新書あります

tetuneco.hatenablog.com

 

*私の好きなおすすめ「幻冬舎新書」 

tetuneco.hatenablog.com

 

 

【電子書籍】デメリットその1 書店へ行く楽しみが減る

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こんにちは、tetunecoです。

 

私が思う電子書籍のデメリット その1は、「本屋へ行く楽しみが減る」です。

  

書店に行く楽しみ

私にとっての書店は、「本との出会いの場」です。

そして、それは、単に読みたい本を見つけるというのではなく、実際に手に取り、買い、自分のものとして手にするということを意味しています。

確かに、書店を歩き回り、たくさんの本を眺めているだけでも、それはそれで大変楽しいことなのですが、「ああ、この本を読みたい」という本に出会い、その本を連れて帰ることで、私の読書は始まるのです。 

私にとっての書店に行く楽しみは、「本との出会い」を楽しむ場であり、読書の始まりでもあります。 

 

本を本屋で買わないということ

電子書籍で本を読むということは、紙の本を買わないということを意味しております。

そして、書店というのは、紙の本を売るところでありまして、並べられた本を愛でるところではありません。

書店の皆さんは、もちろんやっぱり本を売りたいのであります。

私は、書店が好きで、本を見たい。んでも、できるだけ電子書籍で買いたい。

本を買わないのに書店をうろうろする私は、書店からするとただの冷やかし客なのです。

一度、本屋さんで下見をして、気になった本の電子書籍を買ってみたのですが、どうも後ろめたい気持ちになり止めました。

 

本屋へ行く楽しみが減る

とにかく都会の大きな本屋さんに行き、全く訳のわからないジャンルも含めて、すべての棚を見て回り、内容不明でも気になった本をどんどん買う。

これが私の最高の贅沢です。

 

電子書籍の本を買うとなると、本屋さんへ行く必要がなくなるので、この楽しみがなくなりました。

 

本や散歩は相変わらず私の趣味ではありますが、その回数は減り、自分が読みたい本を探しに行くというより、自分以外の人はどんな本を読んでいて、書店ではどんな本を売りたいのかを見に行くようになりました。

 

まあ、そのうち慣れてしまうのかなぁと思いつつ、書店散歩の楽しさには、今も未練がいっぱいです。

  

*電子書籍のメリット・デメリットまとめ 

tetuneco.hatenablog.com

 

日本語の文法には、日本人の心が隠されている

日本人のための日本語文法入門 原沢伊都夫(講談社現代新書)

 

 

 

この本書いたのどんな人

この本の著者は、日本語教師に対する日本語文法教育、言語学教育、異文化コミュニケーション教育を研究しておられるお方です。

四コマ漫画を取り入れた異文化理解の本も出版されています。 

 

内容

この本で取り扱う日本語文法は、私たちが学校で学ぶ文法とは異なります。

著者曰く、

読者の皆さんが国語文法(学校文法)は、日本語文法とは大きく異なっています。

 

本書は、学校文法を現代文学や古典文学を支える国語学の一領域とみなし、日本語文法とは異なる体系に属するものと考えます。

 この本では、日本語の仕組みを知るための文法を解説しつつ、その過程で、日本語と英語の文法を比較して日本語の成り立ちと特性を浮かび上がらせていきます。

この本を読んでいると、確かに学校の文法の授業とは全く異なり、なんといいますか、文章を理解し、会話する上での共通ルールを学ぶために、英語の授業で文法を学んだのと似た感覚がありました。

 

この本を読むことで、著者は、

日本語の仕組みを知ることで、日本語の成り立ちから、日本人の心を代弁するものであるということを実感していただけたら

と願っています。

 

私の感想

私は文章を書くことが好きなんだと気づいて以来、少しでも文章を書くことが上手になれば、と思うようになった。

そのためには、学生時代には退屈で仕方なかった文法にも、読みやすい文章を書くためには、文章の一定のルールを定めた文法についても理解を深める必要があると思い、文法にも興味を持つようになった。

 

しかしながら、私がいつも文法を学ぼうと手にとっていたのは、著者が言うところの学校で習う国語文法で、その退屈さと堅苦しさは、依然として学生自体の印象そのままだった。

 

今回、こうして初めて、国語文法(学校文法)と違い、「日本人のための日本語の文法」を学んでみると、日本人独特の言い回しが日本人の自然を大切に思う心が隠されていることを知った。

この本で学ぶ文法には、退屈さや堅苦しさはなく、なんだかすとんと腑に落ちて、すっと理解することができた。

 

また、この本では、英語の文法との比較も頻繁に行われている。

国語文法(学校文法)と英語の授業で学ぶ英語の文法との微妙な違いに違和感を覚えていたが、それは全く別のものを比較していたことによるものだった。

英語の文法を学ぶ際に、この本を読んでいたら、もっと英語の文法の理解が進んでいたんじゃないかと思う。

 

日本語が日本人を作っている部分は大いにあると思うので、今後も私は日本語を大切にし、日本人たる文章を書けるよう文法の勉強も続けていきたいと思う。

 

 

 *オススメの新書あります

tetuneco.hatenablog.com

 

 

*私の好きな「現代新書」おすすめ10冊 

tetuneco.hatenablog.com