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Q&Aで解説 声のなんでも小事典

声のなんでも小事典 和田美代子

 

この本書いたのどんな人

 この本を書いたのは、声の専門家ではありません。

著者が、

ヒトの声にまつわるさまざまな疑問を専門家に聞き、Q&A形式で答えたのが本書です。

 

著者は、声の専門家ではないからこそできる、素朴な質問を重ねて、とことん調べてまとめます。

他にも、日本酒の科学という本を出版されています。 

日本酒の科学 水・米・麹の伝統の技 (ブルーバックス)

 

内容

この本では、ヒトの一生と声、発生のからくり、声の悩みと解消法、声を育てる

声のトラブルと病気の5つの章からなり、71の質問に答える。

その質問の中には、面白いものがあって、

赤ちゃんの泣き声が大きのはなぜですか

女子も声変わりはあるのですか

裏声は誰にでも出せる声ですか

音痴は治りますか

声を若返らせる方法はありますか 

 なんてのもある。

一つ一つの質問には、専門家が丁寧に答えてくれています。

この本を読めば、声に関して知りたかったことや、思わぬ声の不思議を知ることができます。

 

 

私の感想

以前、とある本で、声が出ることと、話せることは別だと知って以来、声を出すということと、話すことの関係を大切に考えてきた。

 

話すということは、声には喉から音を出すというだけではなく、言葉や感情を乗せて、相手に声を届けることだ。

 

このところ、声を出すのが苦痛になって、人と話すのが億劫になってきた。 

病院へも行ったけど、仕方ないことのようで、治療することもなく、そのままになっていた。

それでも、声は出るもんだとたかをくくっていた。

 

元はというと、声帯は、声を出すために発生、進化した器官ではなく、食べ物を飲み込むことを安全かつ確実に行うための弁でした。

声帯は、肺から出た息によって振動し、呼吸流の断続音が咽頭、口腔、鼻腔を通り、舌、唇、顎、歯、頬などで声に変化を加えることによって、さらにいろいろな声が作られるのです。

 複雑な仕組みの中で作られる声は、どこか一つの器官に不具合でも、今の私の声は違ったものになってしまう。

 

言葉や感情を伝える手段の一つとして、大切な声を、今と変わらず誰かに届けるためには、声に関わる器官を大切に使っていきたいと思う。

 

 

 

*おすすめの「ブルーバックス」たち 

tetuneco.hatenablog.com

 

 

 *おすすめの新書あります

tetuneco.hatenablog.com

 

人間はどこまで耐えられるのか あなたはどこまで

人間はどこまで耐えられるのか フランセス アッシュクロフト(河出文庫)

 

内容

この本は、

極限の環境における人間の生理学的な反応を説明しながら、人間が生き延びる限界を探る。

ものであり、章は6つ。

 

どのくらい高く登れるのか

どのくらい深く登れるのか

どのくらいの暑さに耐えられるのか

どのくらいの寒さに耐えられるのか

どのくらい早く走れるのか

宇宙では生きていけるのか

 

この本は、それぞれその限界に挑んだ人々の功績とともに、それぞれの環境が人間に与える影響を解説し、人間の限界はどこなのかを示していく「生理学」を基本とする本だ。

 

著者曰く

本書を読めばわかるように、生理学は研究室の中だけでなく、日常生活に当てはまる科学でもある。極限状態と戦って生きのびるためには、「命の理論」である生理学の知識が欠かせないのだ。

 

とのこと。

「生理学」を通して、人間という動物の姿を、この本は見せてくれる。

  

私の感想

この本は、タイトルもさることながら、圧倒的な表紙のインパクトに引き寄せられるようにして購入した本だ。

 表紙には、氷に包まれ、炎にも耐え、山の頂を目指す?過酷な姿が描かれているが、なんだかどこか滑稽でもある。

 

地球上で一番高いところを目指す冒険家たちの体に起こる変化とは。

海の奥深い底の底を見たいという科学者たちの挑戦。

地球上の驚くべき環境下に暮らす人々の生活。寒さ、暑さへの対処。

人が早く走るためには、一体何が必要なのか。

地球を飛び出して、安全な方法で宇宙へ行って、帰ってくるための科学技術。

 

この本は、極限状態の人間の姿には、どうしてそんなところに?という疑問や、どうしてそこまでする?という好疑問や好奇心を、確実に満たしてくれる。 

 

それにしても、この本で、これらの人間の限界に挑むのは、探究心溢れる科学者、危険を厭わない冒険家、戦争下において極限状態に置かれた人々がほとんどだ。

人間というのは、極限状態という生死の境目にまで挑戦しなかればいられない動物なんだなぁと、つくづく感心するやら、呆れるやら。

 

人間の好奇心に限界などないことからすれば、この先、科学技術が進んで、ますます人間の限界は広がるだろう。

いつか続編が出版されるのを楽しみにしたい。 

 

 

 *おすすめの新書あります

tetuneco.hatenablog.com

 

【おすすめ】私の好きな「現代新書」おすすめ10冊

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こんにちは、tetunecoです。 

 

本屋さんの新書売り場で、目を引くのが「現代新書」だ。

表紙の真ん中に、真四角が一つ。

その真四角は、いろんな色で塗られていて、本の内容を想像させたり、妙な愛着をわかせたりする。 

 

 とにかく集めて本棚にずらりと、色を揃えて並べてると楽しい。

 Kindleで表紙を眺めてみても綺麗だ。

 

私のお気に入りの10冊をおすすめ順に並べてみましたー

 

並べてみたら表紙の色も私らしいチョイスのような気がする。

 

 

 

10位 『「関係の空気」「場の空気」』冷水彰彦


「KY」という言葉が、もはや一般的な言葉になって何年が経つだろう。

この本では、人間関係に漂う「空気」を「関係の空気」=1対1の会話における空気、そして、「場の空気」=3人以上の場における空気の二種類に分けて解説しています。

空気を読むためには、まずは空気を知ることが必要だ。この本はその助けになる。

 

 

 

9位 文系のための数学教室 小島寛之 

 

 

文系だって数学したい!下手の横好きだっていいじゃないか!

文系を名乗り、数学に決別した人へ、数学エッセイストを自称する著者から、数学の楽しみ方を学ぶ。

私の感想はこちらを↓

数学への片思い。文系を装いつつ数学を愛する方へ 

 

 

 

8位 下り坂をそろそろと下る 平田オリザ(講談社現在新書) 

 

 

この本では、社会学者でも経済学者でも、教育者でもない、劇作家、演出家である著者が、社会を見つめ、社会や教育の再生を訴えかけている。

それがこう、社会学者などが専門用語を使って語るものとは違って、柔らかい言葉遣いでありながら、ズバッと社会を表現していく。 

 私の感想はこちらを↓

自分の立ち位置を理解せよ 新しい社会へとゆっくり降りる 

 

 

 

7位 つながる読書 日垣隆

「つながる」って言葉に惹かれて買った。

この本は、読書を通して、積極的かつ多面的なつながりを見つけるための本だ。 

漫然と本を読むことに飽きた方にオススメ。攻めの読書をあなたに。

私の感想はこちら↓

つながる読書 本を読んであなたは何とつながりますか 

 

 

 

6位 考える技術・書く技術  板坂元

この本は1973年に発行され、第67刷が発行されている本である。 30年以上も、読み続けられている本といえる。

古典には、時が経っても変わらない大切なことが書かれているものです。 

 私の感想↓

書きたい人、書かねばならぬ人 読んで書き学ぶしかない 

 

 

 

5位 私とは何か 平野啓一郎

 

 

この本では、私とはについて、著者独特の「分人」という考えによって説明する。

そして、他の本では読んだことのないような、私に出会える本だ。

私とは何かを考えるような人は、きっと内向きな人なんだろうけど、この本を読むと、外へと広がりを持って、自分を捉えられるように気がすると思う。

 

 

 

4位 戦争を記憶する 広島・ホロコーストと現在 藤原帰一

 

戦争を語る本はたくさんある。戦争を忘れてはならないという言葉もよく聞く。

しかし、戦争を語る本をどう読むべきか、その本当の難しさを教えてくれる本は少ない。そして、戦争を記憶するということがどういうことなのか、しっかり理解している人も少ない。

この本は、戦争を学ぶ時、今一度読んでほしい本だ。 

私の感想はこちら↓

戦争を記憶する その難しさを痛感した本 

 

 

 

3位 無限論の教室 野矢茂樹

 

この本では、無限とは何かについて、対話形式で議論していく。 

この本の一つ一つの言葉を追って、丹念に読み込んでいくと、ふっと無限の世界が広がるような、そんな不思議な体験ができる本だと思います。

私の感想はこちらを↓

哲学による、無限を体験しませんか? 

 

 

 

2位 生物と無生物のあいだ 福岡伸一

 

この本は、2008年に第1回新書大賞を受賞されている作品です。

私たちは、生きている物と生きていない物を見分けることができる。しかしその差はなんでしょうか。はっきりと答えることができるでしょうか。

この本では、分子生物学を専門とする著者が、過去の科学者の思考をたどりつつ、現在の科学まで、生命となにかを丁寧に辿っていきます。その過程を読み進めていくと、内容はどんどん専門的かつ難解になっていくものの、順を追って研究の成果を学び、徐々に生命に迫っていくことができ、読んでいて本当に楽しかった。難しく考えず読める良書です。おすすめです。

私の感想はこちら→

生物と無生物のあいだ 生命とは何かを問う良書 

 

 

 

1位 社会を変えるには 小熊英二 

 

この本は、新書でありながら1,404円(Amazon)と価格は通常の2倍、もちろん厚みも通常の新書の2倍、そして中身の濃さは、通常の5倍くらいはありそうな、なんとも読み応えのある本です。

「社会を変えたい」などということを掲げて活動している人はたくさんいます。デモ、政治活動、NPOの設立、ボランティア活動様々あります。

この本では、「社会を変える」ということがどういうことかについて、歴史的、社会構造的、思想的に考え解説しており、様々な考え方が体系的に紹介されており、1冊読めば、たくさんの考え方の人と語り合ったような体験のできる貴重な本です。

ニュースでもデモの様子をよく見かけるようになりました。この本を一度読んでおくと、社会活動に対する自分の意見も持てていいと思います。おすすめです。

私の感想はこちら→ 

社会を変えるには まず、この社会にある様々な考えに触れることから 

 

 

以上、10冊でしたー

 

 

 

*おすすめの新書あります

tetuneco.hatenablog.com

 

【おすすめ】私の好きな「ブルーバックス」おすすめ6冊

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こんにちは、tetunecoです。

 

みなさん、ブルーバックスという新書のシリーズをご存知でしょうか。

 

ブルーバックスとは講談社が刊行している新書で、自然科学全般の話題を専門家ではない一般読者向けに解説・啓蒙しているシリーズです。

 

このシリーズは、物理学、数学、生物学、科学、宇宙・天文、地球科学、医学・薬学・心理学、技術・工学、コンピュータ関連など取り扱い範囲は広く、どなたでもきっと興味の惹かれる分野があると思います。

 公式サイトはこちら↓

bluebacks.kodansha.co.jp

 

とにかく、ブルーバックスには、にわか科学ファンの私にとって、たまらん本がわんさかなのです。

 

 

 中でも私が読んで、お気に入りの本を紹介します。

 

 

記憶力を強くする 池谷祐二

 

 

この本は、脳科学から記憶のしくみにに迫り、記憶力の鍛え方を詳細に語る本です。

著者の優しげな語りで、堅苦しくなく最新の脳科学に触れることができます。

私の感想はこちらを↓

記憶力を強くする には?という観点から、最新脳科学に触れよう 

 

 

 2

夢の科学 アラン・ホブソン

 

夢を見るのは、あくまでも脳の働きの一つ。夢を科学することで、脳の働きに迫ります。

夢と現実どちらも私が見る世界という、とても新鮮な感覚を得た本でした。

私の感想はこちらを↓

脳が作り出す映像 夢を科学する 

 

 

 死なないやつら 長沼毅(ブルーバックス)

 

「死なないやつら」だなんで、なんだか映画のタイトルのような本ですが、 この本は、生命とは何かを真剣に探る本なのです。

地球上に存在する極限生物から、地球生命という現象がギリギリどこまで成立しうるのかを見ていきます。

私の感想はこちらを↓

死なないやつらがいる 科学的に哲学する 私好みの本 

  

 

宇宙になぜ我々が存在するのか 村山斉(ブルーバックス)

 

 

この本では、「宇宙はなぜ存在するのか」について、最新の物理学を紹介つつ、今後の期待される展開についても解説していきます。

さすがにスラスラ読めるとは言い難いのですが、本当に理解してほしいことはとことんわかりやすく、そして、どんなに説明しても凡人には理解しえないところは、それなりにかいつまんで説明するなど、細部にわたって気配りしつつ書いていただいていますので、じっくり読むことで、多少なりとも物理学の世界を覗くことができます。

 私の感想はこちら↓

宇宙になぜ我々が存在するのか 物理学の世界へようこそ 

 

 

 

川はどうしてできるのか 藤岡勘太郎

 

 

この本1冊から、 一つの川の始まりへそして、海へとたどり、川に関する最低限の知識を得ることができる。この本が、一体となって長い物語のようで、物語の始まりも終わりも、とても興味深くて、読む人の心をわくわくさせる。とてもドラマチックだ。

そして、読む人それぞれが、身近にあるどこかの川を思い浮かべるだろう。

著者の仮説の検証も、川を題材としたミステリーの謎解きよろしく展開していく。

お見事です。

 私の感想はこちら↓

川の始まりへと遡る旅 そして川は海の底へと続く 

 

 

 

 

6 

超ひも理論とはなにか 竹内薫

 

 

いやー。とにかく難しい。わかったふりすらできない。

超ヒモ・・・どんなヒモなのか・・・何度読んでもわからない・・・

しかし、とにかくものすごく頭のいい人が考えることは、奇想天外で楽しい。私にとっては、わからないを楽しむ本だ。

私の感想はこちら↓

超ひも理論とはなにか が書いてあるらしいけど、そのヒモどんなヒモ? 

 

 

以上、6冊でした!

 

 

 

 

*おすすめの新書あります 

tetuneco.hatenablog.com

 

【おすすめ】私の好きな『野矢茂樹』おすすめ5冊

 

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こんにちは、tetunecoです。 

 哲学は好きですか?

私は好きです。大きな声では言えませんが、哲学が大好きです。

 しかしまあ、大きな声で言えるほど、哲学を理解しているわけではありません。

 

私の好きな哲学者野矢茂樹さんのおすすめ本を紹介します。 

また、哲学の本も楽しいのですが、合わせて論理学の本も紹介します。

論理学を理解しておくと、難しい哲学の本も、少なくとも言葉を組み立てて読破することは可能です。

 

哲学好きではない方も、哲学の世界を是非楽しんでください!

 

 

1 

入門!論理学(中公新書) 

 

そもそも、矛盾のない説得力のある文章を書くために買った本でしたが、 結果として、様々の本を読む基礎となってくれた本でしたし、哲学者野矢茂樹との出会いとなった本でした。

 私の感想はこちら↓

論理的であること。これこそ賢さへの近道だ!と思うんだけど 

 

 

 2

論理トレーニング101題(産業図書)

 

1の本は入門、そしてこの本では、101の問題を解きながら論理トレーニングを重ねていきます。実践したい人に。 

 

 

哲学の謎(講談社現代新書)

 

いよいよ、哲学の本。

哲学は謎だ。そもそも哲学のどこが謎なのかわからないという気もする。

しかし、哲学の魅力は謎にある。うんうん唸りながら、とことん謎を追うのだ。 

私の感想はこちら↓

哲学の謎って・・・謎じゃない哲学があるのか? 

 

 

無限論の教室(講談社現代新書) 

 

哲学者は、ユーモアのセンスが高いのか、思考が複雑すぎて滑稽に見えるのか、それはともかく、哲学者の方の書く本にはユーモアに溢れたものである場合が多い。

この本も、ふんわりとした笑いの中で、じりじりと無限とは何かに迫っていきます。 

私の感想はこちら↓

哲学による、無限を体験しませんか? 

 

 

 

 5

ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む(ちくま学芸文庫)

 

最後は、哲学の名著ウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』を野矢さんによる解説で読んでいきます。

一人では読めない難解な本も、こうして自分の好きな哲学者による解説があると、なんとか読破できるものです。

 

 

 以上、5冊でした!

 

 

 *おすすめの新書あります

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